NPO法人ドットジェイピー 理事長 佐藤大吾 後編 〜困っている個人だけでは変えられない、おかしな社会の仕組みを変えたい〜

ジャストギビングジャパンは震災をきっかけに多くの寄付が集まり、一躍脚光を浴びる。その後に数多くのクラウドファンディングが続々と参入し、自らも寄付型に加え購入型サービスも開始。その後L I F U L Lグループ入りして金融型にも参入。

10年近くクラウドファンディングの最前線で走り続けてきた佐藤大吾さん。後編ではクラウドファンディングとはなんなのか。そして今後についてお聞きしてきました。

■震災以降、たくさんのクラウドファンディングサービスが立ち上がる

八田:2011年以降、たくさんのクラウドファンディングが立ち上がりますが、実際どのように感じていましたか?

佐藤:競争相手というより、仲間であるという感じが強かったです。メディアが特集を組んでくれたり、パネルディスカッションに同時に招待されたりすることも多く、皆で業界を盛り上げていこうという感じでした。

また、他社は購入型である中、私達だけは寄付型特化でしたので、純粋な競争相手ではなかったということもあります。

ただ、2013年に購入型ShootingStarを開始し、2015年に寄付型のジャストギビングジャパンと、購入型のShootingStarを統合してサービス名をジャパンギビングとしてからは、同業者とのコミュニケーションも変化していきました。

しかし実際のところ、ジャパンギビングは寄付型が9割で、購入型はあまり伸びず、私達も寄付型に注力しようと舵取りをするようになりました。そうなると、再び他社は競合という雰囲気ではなくなっていきました。

八田:各社「色」がありました。当時、ジャパンギビングは寄付のイメージが強いと思っていました。

佐藤:もっと言うと「地震などの災害が起きたときに寄付をするサイト」と思われていたと思います。

八田:震災が落ち着いた後、ビジネス的には実際どうだったのですか?今もクラウドファンディングでは、マクアケは上場しましたが、どのサービスも経営は楽ではなさそうです。

佐藤:2011年の震災で一気に会員が増えたので、年間に3億~4億円くらい集まるようになっていました。手数料は10−15%ですので、3,000~5,000万円の売上げです。増資を重ね、資本金を手厚くしていたので、それを元にやっていく、というモデルでした。とはいえ、基本は赤字だったので、資金調達ばかりやっていました。

■L I F U L Lグループ入りと金融型への参入

八田:2017年にジャパンギビングの大株主が不動産情報サービス大手のLIFULLに変わりました。経緯を教えていただけますか?

佐藤:はい。2011年の震災当時は、LIFULLの井上社長(当時ネクスト。現L I F U L L代表取締役社長)は個人としてもジャパンギビングのヘビーユーザーであり、ネクストグループの社員に対してもみな寄付をしようと、呼び掛けてくださっていました。その後も、ご一緒する機会が多かった中で、井上さんから「地域創生とクラウドファンディングで何かできないかな?」と言われました。

井上さんのお話は「地方の古民家を買い取り、改修して事業化し、地方にインバウンドなどの観光客を呼び込むといった事業をやりたい。地方創生のためには、平均百万円ほどの寄付型ではなく、最低でも300~1000万円くらい集まる投資型のほうが現実的。小口投資のクラウドファンディングはできないか?」というものでした。

いくつかの国内事例がすぐに思い浮かび、法的には可能だということは確認できましたが、当時、地方創生の投資型クラウドファンディングに取り組んでいる上場企業の例はありませんでした。また投資型クラウドファンディングは金融業になるので、人もシステムも寄付型・購入型と比べて大きな投資が必要でした。「本気でやろう」となり、投資をしていただくことになり2017年に保有率が50%を超え、LIFULLグループ入りしました。

八田:私のように外から見ていると、寄付型に強いジャパンギビングが、金融型もやり始めて、総合型に変更したのかな?と見えましたが、実際何か変わったことはありましたか?

佐藤:寄付型・購入型の時代から「古民家を改修したい」というプロジェクトは多数ありましたが、クラウドファンディング事業上で欠かせない「優良な掲載案件を開拓する」という業務については、LIFULLグループの知名度、信頼度、営業力が大いに機能しました。LIFULLグループの3万を超える取引先不動産企業に呼びかけることで、案件数を拡大できたのは大きかったです。また、銀行や行政からの信用度が高く、事業拡大に好影響でした。

■クラウドファンディングの本質とは何か。

八田:寄付、購入だけでなく金融型まで手掛けられたパイオニアの大吾さんだからこそ聞いてみたいのですが、ずばりクラウドファンディングのプラットフォーマーは儲かるのでしょうか?

佐藤:手数料10−20%を頂くとしても、その中からクレジットカード手数料などの支払いが発生しますので、手元に残る手数料は数%という薄利多売ビジネスなので、流通金額の拡大がとても大切ですね。さらに利益が出るかどうかはやり方次第だと思います。

プラットフォーマーが売上を上げる方法は、流通金額に対する手数料だけでなく、プロジェクト開始前に様々な相談に乗ったり、ページ制作をサポートする際のコンサルティング料などいくつかあります。資金繰り支援として振込タイミングを早めるかわりにいくらか手数料を上乗せするとか、クラウドファンディングの終了後、商品化された際に企画料としてロイヤリティを頂くケースもありますね。

八田:クラウドファンディングの本質とは何なのでしょうか。一言で言うのは難しいと思いますが、最初から最後まで経験している大吾さんに伺いたいです。

佐藤:寄付型、購入型、投資型、みなクラウドファンディングというサービスでまとめられることも多いですが、それぞれビジネスの本質は全て違うと思います。「F1ドライバー、配達ドライバー、タクシードライバーをひとまとめにして、みんなドライバーですよね」と言われている印象です。

寄付型クラウドファンディングを実施する狙いのひとつはマンスリーサポート獲得につなげたいということがあります。期間限定キャンペーンとしてクラウドファンディングを実施し、気に入ってくれたらマンスリーサポートに切り替えて頂くというきっかけづくりです。あるいは災害用、非常時の救済用のものや、行政がスタジアムを建設する際にいきなり税金を投入するのではなく、まずクラウドファンディングを実施し、世論を醸成し、多数の賛同・支援を得られることを確認した上で、税投入、本格事業化に進むといった使われ方もあります。

購入型は、支援を募るというより、予約生産の仕組みといったほうがわかりやすいかもしれません。まだ存在しない商品を企画だけ発表し、「欲しい人、この指とまれ」というかたちで先にリスクをとって生産するのではなく、注文があった分だけ生産して届けるという、テストマーケティングのツールとして機能しています。寄付型とは用途が大きく異なります。

いずれにしても、資金需要者がダイレクトにパブリックに訴えることができるようになったのは大きな意義があると思います。

■困っている大勢がいて、仕組みや環境を変えたい

八田:今後やろうと思っていることはありますか?

佐藤:どうしましょうかね(笑)。これまでのケースでは、いつも「誰かからの相談」から事業が始まりました。

インターンの時は、ある学生が就職活動で内定が取れず悩んでいて、その学生の相談に乗っているうちに、インターンというアイデアがひらめきました。

それまで「大学四年生になるまで企業と接点をもってはいけません」というルールがあるにも関わらず、大学四年生になった途端に、競馬のゲートが開くかのように「就職活動を始めろ!」といわれるのは無理がある。学生が悪いのではなく、世の中の仕組みのほうが悪いと思いました。

また、若者が選挙に行かないという問題についても、政治と教育の分離というルールを敷いていながら、選挙権年齢になると急に「選挙に行け」と言われる。若者が悪いのではなく、世の中の仕組みのほうが悪いと思いました。

寄付が集められないNPOについても、経営者の能力というよりは、寄付を集めるためのルールとツールが整っていない世の中のほうに問題があると思い、チャリティプラットフォームやジャストギビングジャパンを設立しました。

振り返ってみると、ぼくが事業を起こすときは、いつも困っている誰かがいて、相談者自身の責任というよりは、世の中の仕組みや環境に問題があると感じたことがきっかけになっています。さらに同じ悩みを抱えている人がたくさんいそうだと思ったら、ちょっと頑張ろうかな、という気持ちになります。相談者自身に問題がある場合は、事業化を検討することなく、きっと寝るころには忘れてしまうと思います。(笑)

そう思うと、次に何をするかは、どんな相談を受けるかによるんじゃないかなと思います。自分からふつふつ湧き上がる強い想い、解決したい社会テーマといったものは、昔から持っていないので、あまり肩の力を入れずに、ゆったり構えて、色んな人の話を聞いてみたいと思います。

八田:この話は、今一番聞きたかったことかもしれません。

社会の仕組みが根っこの問題であるときに、これが原動力となり、一気に動きだすということですよね。大吾さんの場合、ビジネスモデルより先に凄まじい行動力があることが、普通の人ではないと感じています。

長時間のインタビューにお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

佐藤:こちらこそ、ありがとうございました。

NPO法人ドットジェイピー理事長 佐藤大吾

73年大阪生まれ。大阪大学法学部在学中に起業、その後中退。98年、若年投票率の向上を目的にNPO法人ドットジェイピーを設立。議員事務所、大使館、NPOなどでのインターンシッププログラムを運営。これまでに3万人の学生が参加、うち約100人以上が議員として活躍。10年、英国発世界最大の寄付サイト「JustGiving」の日本サービス「JustGiving Japan」を開始(19年、トラストバンクへ事業譲渡)。国内最大の寄付サイトへ成長させるなど、日本における寄付文化創造にも尽力。

会社情報COMPANY

会社名株式会社ロケットメイカーズ
Rocket Makers Inc.
創業2019年9月1日
代表者代表取締役社長 八田浩
代表取締役副社長 大和田 要

経営陣紹介 >
住所〒102-0083 東京都千代田区麹町2-10-3
事業内容地方、中小・ベンチャー企業の新規事業支援
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株式会社ロケットメイカーズ
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以上

制定 2019年9月1日

開示等、苦情及び相談対応受付窓口
株式会社ロケットメイカーズ  代表取締役社長 大和田要
〒102-0083 東京都千代田区麹町2-10-3

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