くじらキャピタル代表取締役社長 竹内真二 前編:資本×デジタル×中小企業 くじらキャピタル創業前

くじらキャピタル代表取締役社長 竹内真二 前編:資本×デジタル×中小企業 くじらキャピタル創業前

竹内さんとの出会い~4期連続赤字企業の再建者~

八田:竹内さんが金融機関のご出身ということは知っているのですが、なぜ今のくじらキャピタルに至るのか、これまでのことを少しずつ伺わせてください。出会った時は株式会社アイ・エム・ジェイ(以降IMJ)のCFOをやられていましたよね。

竹内:はい。当時、仲間と立ち上げたブティックのM&Aアドバイザーの会社をやっていて、その仕事の縁で「IMJの建て直しを手伝ってくれ」という話をもらったのがきっかけでした。当時のIMJは上場していましたが、4期連続最終赤字でうち1期は営業赤字、直近年度も過年度決算修正を余儀なくされたり、という状況でした。そんなIMJを非上場化して、建て直しを図ることが当初の私のミッションでした。2012年6月の株主総会で取締役に選任され、公開買付と並んで最初にやった仕事の一つがリストラと事業部の整理です。

その中の1案件の売却でお会いしたのが、当時まだオプト様にいた八田さんとの最初の接点でした。

八田:確か案件終了後、赤坂で会食しましたよね。

竹内:はい。私は「事業売却」という仕事を一手に担っていましたので、とにかく高値で良い条件で売ることに注力し、パシパシと冷たく事務的にやっていました。ただ、従業員の人生に関わることなので、そこだけは相当真摯に向き合ったつもりです。それでも、プロセスとしてはかなり厳しくやりましたので、それなりに買い手側からは大変だったと思います。あの会食は売却後のクロージングディナーで、M&Aの世界では、答え合わせ的な話もあるじゃないですか。あの時本当はこうだったんですよ、とか。その席で、「売却の打診があった時、ちょうどその話をオプト社内でした後だったので、どこか社内に盗聴器がついているんじゃないかと思いました(笑)」と八田さんに言われたのを覚えています。そんな良いタイミングだったので話が進んだのだなー、と。

八田:竹内さんの第一印象は、IMJのプロパーの方でもなく、事業側でもなく、何か毛色が違うな、と思っていました。

竹内:確かに、再建という立場で、私が唯一の外部から来た人間でしたから。

一連托生で最後までやる。全財産をかけた企業再建。

八田:その後に、IMJを売却されました。社長は結局どれくらいやられたのですか?

竹内:社長は合計3年間、IMJ売却後も2年間やりました。就任当初は本当に悲惨な状況でした。利益がどうやっても出ないという状況でした。ただ、IMJの中に入る以上は自分もリスクを背負って資本を入れたいと思い、公開買付用ビークルにその時の全財産をぶち込みました。

八田:すぐぶち込まれますよね(笑)。

竹内:そうです(笑)。その直前に全財産を無くして大変だったにもかかわらず、ちょっと小銭入ったら、すぐに勝負してしまいました。

時系列でいうと、

  • 2012年春 非上場化を手伝ってくれという打診
  • 2012年6月 取締役CFOに就任、IMJ入社
  • 2012年8月 非上場化の公開買付を実施
  • 2015年 代表取締役に就任
  • 2016年 アクセンチュアに売却
  • 2018年 退任

その時はもう一蓮托生で最後までやります、という気持ちで「全財産賭けます」と言いました。当初は非上場化のお手伝いだけで、IMJの役員に就任する予定はなかったのですが、やると決めたら中途半端はかっこ悪いじゃないですか。結構な額を出しました。ただ、中の人たちのコミットは非常に微妙で、その日の帰り道に「なんで部外者の俺だけが、いきなり来て、こんなにやるんだっけ?なんで俺だけ全財産賭けるんだっけ?」と、さすがに居たたまれない気持ちになって、やっぱりやめようかなと思ったのを覚えています。

八田:中の人達がそのままだと協力してくれない可能性があるってことですよね

竹内:そうですね。それは最後までそうでした。当時のIMJの問題で言うと、皆の当事者意識が薄く、常に外部の誰かがやってくれるもの、という感覚が根強くありました。

何か変えようとしても、それは今までのやり方と違うという感じで、強烈な抵抗というより斜に構えて動かない、という印象でした。

八田:最初は再上場を目指していたのですか。

竹内:そうです。完全に再上場を目指すためにやっていました。膿を出し切って、ビジネスモデルを変えて、再上場しようと準備をしていた時にアクセンチュアさんからオファーがありました。売却は2016年の春です。

それから2年間は、すっごい真面目にP M Iをやりました。そして、私の仕事も「立て直す」という意味では、もう終わったので、2018年に退任しました。

八田:なるほど。結局、最初にMBOするときに、手金を入れたのは、成功?失敗どちらだったのですか?

竹内:経済的には大成功でした。それがあるから今のくじらもあり、私自身もあり、抱えていた借金も全部クリアにした上、楽しくやらせてもらえて、投資家としての自信もつきました。ですので、実質一号ファンドと呼んでいます。

八田:超ハンズオンファンドですよね。

竹内:はい。ハンズオンどころか、完全、当事者そのものになっていますから、それは凄い大きかったです。

経営判断を要するまでになったデジタルの重要性

経営判断を要するまでになったデジタルの重要性

八田:IMJ入社前までは、仕事としてウェブマーケティングはやられていましたか?

竹内:まったくやっていませんでした。

実際、当初は、デジタルは本当にわかりませんでしたが、勉強して6年もやれば大体分かるので、ディテールはともかく、判断ができる程度になったので、このことはすごく大きかったです。

八田:なるほど。外から見ていると、立て直す人だったはずなのに、思ったより長くやっているなっていう印象がありました。

竹内:そうですね、はい。

八田:I M J時代の後半は、どんどん竹内さんって何考えてるだろうなってことが気になってきていました。しかも、気づいたら、いきなり地方創生について語り出している。

竹内:IMJで学んだことで言うと、やっぱり社長の力はでかいな、ということです。

会社を良くするのも、悪くするのも、社長一人変わるとすごく変わるから、社長という人は凄く大事だな、と思っています。

社長に恵まれなくて苦しんでいる会社を私は見ているので、その大変さを知っています。社員やその家族にしわよせがいくわけです。具体的に言うと、会社の利益が出ない。だから給料上がらない。昇給昇格できない。人を増やせず、むしろ減らしている。だから、ポジションが増えず、部長になれない。部長のポジションが限られているから、椅子取りゲームになり、足を引っ張りあう。評価制度も、相対評価と称して下に下にボーナスが行くような制度設計にする。そうなると、とにかくもう疲弊して、停滞感でいっぱいなんです。従業員が疲弊すると家族も辛いし、取引先も叩くし、社長が無能だとみんな大変というのが得た気づきです。いや分かってはいましたが、具体的に見ると、それが実体験として刻み込まれました。

竹内:あとはやはりデジタルの凄さというのを見ました。

八田さんも、元々は証券会社ですよね?そこからデジタルに行った時、やはり驚いたことがいっぱいあるのではないかと思います。私も多分似たようなことを思っていて、全然知らなかったデジタルの世界では、こんなことが起きてるのか、と。

IMJはもともと巨大なweb制作会社です。当初、お客さんは会社のパンフレットをデジタル化するような総務系の部署が、その流れでIMJに発注してくれていました。それが、デジタルはもっと大事だよね、と言うことで今度はそのデジタル系の部署、あるいはシステム、あるいはマーケティングみたいな形で、徐々に格が上がってくるんですね。お客さんの中で、発注してくる部署の格が上がっていって、2012年から2018年にかけては、それが部長を超えて、執行役員や経営マターになってくるわけです。私がいた6年間だけで見ても、明確に応対する人のレベルが上がってきました。昔は新年の挨拶行ったって、私達が行けるのはせいぜいIT本部長でしたが、今はお客さんの、COO や副社長とかには行けるわけです。上場企業とか、大手百貨店とか、航空会社とか。IT、デジタルというものが、もの凄く社会的地位の上がり方をしてるんです。そういうことを目の当たりにして、この凄さをちゃんと理解しないと、今、2020年ですが、これからの世の中、業績改善なんかできるはずがないということを、肌感覚でわかったってことです。

当たり前ですが、今の世の中ではデジタル以上に大事な顧客接点なんてないんです。みんなスマホで見て検索して、検索で引っかからなかったら、世の中に無いと思い、検索して表示されないものは、世の中に存在するとは誰も思いません。

自分がクライアントの社長でデジタルと店舗どっちに投資しますかといったら、9:1でデジタルに投資します。

それ位の経営マターなんです。そういうことが肌感覚で、分かったという感じです。

八田:営業とか行かれていたのですか?

竹内:結構、行ってました。好きだったのと、やっぱりお客さんと繋がってないと本当のことがわからなくなる。それが嫌でした。

八田:現場に行かない人は結構多いと思います。

竹内:どうせ竹内なんて、金融出身で現場のこと分からないから、と最初のうち社員は思っていたと思いますよ。だから「俺も行きたい」って言って、かなり一緒に行きました。大事なプレゼンは私も喋るし。足を引っ張らないどころか、絶対貢献してやるから!という感じで回っていたら、現場のことが本当によくわかりました。

八田:現場に行くと分かりますよね。特に2012年から2018年、この6年間って、大手企業にデジタルが広がった時期でした。

竹内:そうですね。デジタルが経営アジェンダに急速に移り変わった6年でした。また、技術的にも色々とそろってきた時期なので、デジタルが営業支援だけではなく、実業、売上を上げることに貢献できるツール群が急速に増えていました。データも揃い始め、実行手段が凄く増えたというのもあると思います。それを大企業も採り入れ、実際に業績にプラスのインパクトがあることが分かったので、ものすごい勢いでクラウド系のツール、営業、売上を上げるツールという風にシフトしていったなぁって感じですよね。

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    以上

    制定 2019年9月1日

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